2018年1月、ボクはヨーロッパのエストニアという国のe-Residency(電子住民)の申請を行い、2月末に承認され、4月に東京のエストニア大使館で ICカードを受け取りました。
といっても、その制度を活用して何かしたかというと何もないのですが、将来はエストニアと日本の文化的な交流に何か役立ちたいと思っていますし、大きな夢としてはエストニアに「いい季節限定で」住んでみたいと思っています。
不動産を持って、旅する人に使ってもらうとか日本のことを知りたいエストニアの人にちょっと気楽に遊びに来てもらえるスペースとかできたらいいなと妄想しています。
e-Residencyを取得した今、できることとできないことを今一度復習してみたいと思います。
これから、e-Residencyの申請・取得をしたいという方の参考になれば幸いです。
目次
エストニアのe-Residencyって?
エストニアの政府が持つプラットフォームを外国人にも使えるように解放したもので、2014年から始まったプログラム。
2018年現在、世界中から約4万人が登録し、日本からも約2000人の登録者がいるそう。
ボクもそのひとりです。
[box class="yellow_box" title="合わせて読んでね!"]エストニア e-Residency 申請・取得の流れ[/box]
ボクは「とりあえず取得して具体的な行動は後から考えよう」と思って気楽に申請・取得しました。
そんなノリで気楽に申請している人も、世界各地からの登録者 約4万人の中にはたくさんいるのではないかと思っています。
ボクなりに、こんな人はe-Residency を申請・取得すればいいんじゃないかな〜と思ったことを書いてみます。
こんな人におすすめです
エストニアに興味がある人
大相撲が好きな人なら、把瑠都(バルト)はご存知ですよね。
把瑠都さんの出身国がエストニアです。
[box class="pink_box" title="把瑠都さんの公式Twitter"]
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また、アイススケート選手で平昌オリンピックのエストニア選手団の旗手を務めた、サスキア選手(saskia.alusalu)は「美人旗手」として話題になりましたので、覚えている方も多いのではないでしょうか?
[box class="pink_box" title="サスキア選手のインスタグラム"]
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で、そもそもエストニアってどこ? という方も多いと思いますが、いわゆるバルト三国の一つで、ロシアの西、フィンランドのバルト海(フィンランド湾)を挟んで南に位置し、日本からだとヘルシンキから船で3〜4時間(高速船だと2時間弱)ほどかけてエストニアの首都タリンに入るのが一般的な旅行コースです。
エストニア大使館でe-ResidencyのICカードを受け取るときに、
「エストニアの一番いい季節は、5月から9月だよ!是非一度行ってみてね!」
と言われたので、行ってみたいと思っています。
[box class="pink_box" title="エストニア観光局公式facebook"]
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エストニアやEUでビジネスをしたい人
エストニアで法人を作りビジネスをしたいと思う人は、法人設立・口座開設などがオンラインで可能ですので、日本にいながら手続きが完結します。
エストニアの人口は約131万人、GDPも190億ドルほどで世界110位前後、一人当たりのGDP額はEUの平均の約半分。
こんな小国で何が・・・? と思ってはいけません。
エストニアはEUの一員ですので、エストニアで法人を持つということは、EU各国へビジネスを容易に展開できるということ。
日本にいながらEUでビジネス展開できるのは、かなりのメリットだと思います。
また、エストニア自体も旧ソ連圏の国としては初めてのEU加盟国で、経済自由度指標は世界で13位、近隣の北欧諸国のように市場調整型ではなくアメリカやイギリスに近い市場放任型で経済発展して来ています。
自国のプラットフォームを世界に開放するような決定ができる国ですので、政府からの経済統制はほとんどないと考えていいと思います。
フリーランスで仕事をしたい人
フリーランスで仕事をしたいけど、企業の看板も欲しい・・・ という事情を、日本のフリーランスの方には察していただけると思います。
日本で法人設立するよりも安く、簡単に起業できますので、人によっては大きなメリットですよね。
また、「えっ?エストニアの会社ですか?」と話題にもなりますので、セールストークの掴みは最高かもしれません。
ただ、会計処理がちょっと面倒になるかもしれません。
というのも、租税は居住国のルールに従う必要がありますので、日本とエストニアの間には二重租税回避のための条約が締結されましたが、その内容をよく理解しておく必要があります。(参考:日・エストニア租税条約の発効)
会話のネタ作り
類は友を呼ぶ といいますか、外国好き・旅行好きのボクの周りには同じような人も多いので、話のネタにはなります。
「エストニアの電子住民になったんだ〜」っていうと、だいたい「何それ?」と聞かれますので、会話のきっかけやネタとしては面白いと思います。
また、エストニアつながりで様々な仲間と出会えたり、新たなコミュニティが出来たりと、面白い発展も期待できます。
将来、エストニアに移住・労働を目論んでいる
移住したい方には便利な制度です。
アパートの賃貸契約や、雇用契約など、必要な契約は全て電子署名でできます。
簡単に出力できる電子署名の証明書を付けるとビザの申請等にも公式書類として提出することができるので、煩わしい書類手続きを効率化できます。
ボクは、今の所 具体的にビジネス展開などは考えていませんが、いつそういうことをやりたくなってもいいように、仲間づくりはしたいと思っています。
ただし、「できると思っていたけどできないこともある」ので、ちょっと注意が必要です。
E-residencyではできないこと
電子住民と行っても、エストニア国民になれるかというとそうではありません。
登録しただけではエストニアに税金を納める訳ではありませんし、一定の制限があるのは当然と言えば当然ですね。
移住権・永住権やビザの代替え
e-Residencyはエストニア国民が使える電子サービスのプラットフォームの一部を使えるように開放された「サービス」なので、移住権や永住権、ビザの代わりにはなりません。
上の「将来、エストニアに移住・労働を目論んでいる」を読んで誤解されないようにお願いいたします。
選挙権(電子投票)
エストニアの選挙は e-ID で電子投票が可能ですが、e-Residencyに登録しているからといって選挙権はありません。
選挙権を得たいなら、永住権を取得する必要があります。
公共交通機関の無料利用
エストニア国民は、基本的には公共交通機関は無料ですが(いいなぁ!)、e-Residencyに登録しているからといって、無料での利用はできません。
また、こんな人は申請しようとしてもストレスを感じるだけです。
英語を理解しようとしない人
エストニアの国語・公用語はエストニア語ですが、e-Residency申請フォームは英語ですので、申請の時のフォームへの入力も、グーグルの翻訳を使って理解し記入しました。
ボクは英語はできないし、苦手です。
英検も2級だし、TOEICも500点台前半くらいが最高です。
でも、申請から取得、それにまつわる英文のメール受信と内容のある程度の理解は、現代のテクノロジー(グーグルさま)を活用してできましたので、その手間さえ惜しむようだと、ストレスしか感じないと思います。
ただ、日本人は中学・高校で6年間、英語を学んでいます。
そして、ブロークンであれ、和製であれ、会話や情報の中に英単語が含まれていることは多いので、実は苦手意識があるだけで、なんとなくわかることが多いんです。
そして、ボクのように現代のテクノロジーを活用すれば、「スムーズな会話」はできなくても、e-Residencyの申請・取得については、それほど困らないのでは?と思っています。
実際、ボクの英語力でも問題なく申請が通りましたので(笑)
e-Residency 今後の展開とまとめ
先日、こんなメールが届きました。
「Beta版」である今のe-Residencyは、登録者やその他の声を集めながら改善を繰り返し、より良い制度を作ろうとしていることを感じます。
今後、金融機関との提携強化や、国民と同様に公共交通機関を無料にする施策の検討などを続けているとの話も聞いたことがあります。(← すみません、情報ソース 失念しました)
また、今後各国が電子国民制度をリリースすることも考えられます。
このような制度で「エストニア国外にエストニアを活用し応援してくれる人」を増やす。
これはもしかしたら、これからの平和な世界づくり、発展し続ける国づくりのモデルとなるかもしれないと、ボクは勝手に思っています。
今、ビジネスを展開したいと考えていなくても、もしこの制度に興味があるなら、気軽にJOINすればいいのではないでしょうか?
申請・取得の流れはたくさんの方がわかりやすくブログにされていますのでそちらもご参考に。
縁もゆかりもないですが、エストニアという国の取り組みに興味を持ち、関わってみたい、何か将来の夢実現の足がかりにしたいという好奇心の強い方々と、繋がりが生まれたら楽しいだろうなと思っています。