子どもが生まれる予定のある方やすでに子どもがいらっしゃる方は、その子の将来のために少しでもお金を残さなきゃ、頑張らなきゃ!と、気合が張っていることと思います。
多くの方が、子どもの将来のために「学資保険」を検討すると思います。
その意味・目的は、「将来、必要な時にお金がないということを防ぐための貯金」ですよね。
多くの学資保険はお金を増やす「投資・運用」ではなく、「貯金と保険」です。
お金を貯めておく「貯金」と病気や怪我などに対処する「保険」と「投資・運用」は別々に考えることが基本です。
ボクは「将来のお金を作る、残す」という目的で、オフショアの保険 「インベスターズトラスト社のS&P500 インデックス」を検討します。
目次
学資保険で見逃しがちな点
学資保険とは、
将来必ず発生する進学などで必要になる資金を準備するための貯蓄型の保険
です。
ある調査では、学資保険人気ランキングでは
- 明治安田生命「つみたて学資」
- フコク生命「みらいのつばさ」5年ごと配当付き
- アフラック「夢見るこどもの学資保険」
が、 TOP3でした。
見逃しがちな点
自分を含めて、日本ではお金の教育を学校からも親からも受けない人がほとんど。
しかも、銀行や保険会社の商品というとそれだけで「安心」「おまかせ」してしまう特徴があります。
学資保険の見逃しがちな点として
- 元本保証ではないこと
- 親の年齢によって保険料が大きく違うこと
- 実は、お金を増やす機能は充実していないこと
が挙げられます。
元本保証ではないの? と驚かれる方もいるのですが、毎月きちんと保険料を納めていても、満期時に払込み総額よりも受け取り額が少ないといった例も少なくありません。
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元本保証と元本確保の違い リスクを知って堅実な投資 資産運用をしよう
学資保険代わりにもいいと言われる インベスターズトラスト(ITA)S&P500 。 説明を読んでいて目に止まった文言が「元本確保」 「保証」じゃなくて「確保」なんだ・・・ ふ〜ん。。。 ...
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なぜ、途中解約などせずきちんと保険料を納めているのに払込総額より受け取り額が少ないの? という疑問の答えは、
- 日本があまりにも低金利国だから
- 日本の場合、保険商品にかかるコストが高いから
- 学資保険と言いながらほとんどが保障(保険)部分に収めた保険料が使われ、貯蓄に回る部分は意外と少ないから
の3つの理由で、おおまかにまとめることができます。
特に、3についてわたしは、保障(保険)と貯蓄(運用)は分けて考えるべきだと思っていて、それぞれ別の商品を選ぶ方が効率は良いです。
学資保険のメリットや向いている人
それでも学資保険にもメリットがありますし、学資保険に向いている人もいます。
貯金もしたいし保障も欲しい
学資保険で将来受け取れる金額は、定期預金と実はそう変わりません。
とはいえ、病気や怪我、入院などの時のための保障がつけられる(もしくはついている)ということをメリットと感じる人は学資保険に向いています。
ボクは、貯蓄(資産形成)と万一への備えは別に準備すべきと思っています。
浪費グセがあってなかなか貯められない人
保険料という形で半ば強制的に引き落とされるので、毎月一定額ずつお金が貯まっていくことになりますよね。
ただ、浪費グセのある人は「途中解約」して納めた保険料を取り戻してしまうことも多いので、意思を強く持っておく必要があります。
万一のとき、ある程度の金額を残したい
学資保険も生命保険の一種なので、契約者に万一のことがあれば死亡保障金を受け取れます。
また、学資保険によっては契約者が死亡した後の保険料を免除してくれたり、その後の子どもの教育へ影響を低減させるための育英金が出るものもあるので、そこにメリットを感じる人もいると思います。
節税のため
学資保険の保険料は、税額控除を受けることができます。
会社員なら、年末調整で少しお金が戻ってきますよね。(ちょっと嬉しかったりします)
と、メリットもあると思いますが、何より「誰かの言いなりにならず自分で考える」ことが重要です。
自分で考えるためには比較材料が必要だと思うので、冒頭で少し触れた「インベスターズトラスト社のS&P500 インデックス」のことも知って、検討してみてください。
インベスターズトラスト S&P500 インデックスとは
海外積み立て投資で人気のある インベスターズトラスト社のS&P500 インデックス という積み立て保険商品のことです。
ここでは、学資保険との比較材料にするために概要だけをご紹介しますので、できるだけ簡潔に書きたいと思っています。
インベスターズトラスト社って?
ケイマン諸島金融管理局の許可を持つ国際的な保険会社です。
設立は2002年とまだ若い会社ですが、すでに世界40カ国で事業を展開し、総預かり資産は1,200億円と非常に順調に成長を続けている(=世界中から信頼されている)会社です。
米国の格付け会社より “安定” の評価を得ている会社です。 (インベスターズトラスト社の公式HPはこちら )
ケイマン諸島って?
英国の海外領土であり直接税がなく、政治も安定している。カリブ海の西にある3つの島からなります。公用語は英語、人口は約53,000人で首都はジョージタウン。西インド諸島の中では生活水準が高く主要産業は観光で、古くからスキューバダイビングの名所として知られます。タックス・ヘイヴンであるためオフショア・バンキングも盛んで、ここに資産運用会社や特別目的会社(SPC)を置く海外の金融業も多数あります。
S&P500って?
S&P500とは、米国の投資情報会社「スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)」が算出している米国の代表的な株価指数のこと。
ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数のことをいいます。
インデックスって?
投資や資産運用に関連することで使われるときは、「特定のマーケットの動向を表す指標」のことを指します。
つまり、インベスターズトラスト S&P500 インデックス とは、
インベスターズトラスト社のアメリカの株価指数 S&P500を指標した商品
で、アメリカの証券取引所に上場している企業の株価の動きに連動した保険商品ということです。
インベスターズトラスト S&P500 インデックスの特徴
プランにもよりますが、15年後に140%の元本確保があるので学資保険として活用される方も多いです。
例えばお子さんが生まれた時に積み立てを始めて15歳になった時には、払込保険料の140%が「確保」されています。(保証とはちがいます)
少し具体的にいうと、
年間保険料2400USドル(約27.6万円→1ドル115円のとき)を15年支払うと、36000ドルになります。
その140%ですから50400ドルが返戻金として受け取れるということです。
計算しやすいように1ドル=115円で固定して計算すると、
4,140,000円の保険料を払うと、5,796,000円受け取れるということです。
日本の学資保険の多くは返戻金率は108%程度ですから、仮に同額の4,140,000円を支払ったら受け取れるのは、4,471,200円。
その差は130万円以上違ってくる計算になります。
もちろん、ドルで支払うコストや手間、為替レートがどうなっているかわからないなどの不確定要素を加味すれば計算通りにはいかないですが、それでもちょっと魅力に感じませんか?
そして、もし140%以上の運用益があればそれも加味されるので、これからのアメリカと日本の経済成長差を考えれば、期待できると思いますが、どう感じますか?
メリットとデメリット
メリット
ポイント
・15年払い以上は100%元本確保(保証とはちがいます)
・7年一括払い、10年・15年・20年の定期拠出払いが選べる
・運用が元本確保額(15年なら140%以上)だった場合はその分は利益
・確実に長期積立を行えば、不況に陥ったとしても利益は確保
・為替レート(USドル:円)により、差益の可能性(こちらはデメリットにもなりうる)
・日本で契約・手続きが可能(日本語対応)
デメリット
注意ポイント
・USドルで送金など、保険料以外にかかるコストがある
(格安送金サービスやカード払いなどで軽減できる)
・為替レート(USドル:円)により、差損の可能性(こちらはメリットにもなりうる)
・積立停止・引出しを一度でもすると元本確保は不可(流動性は悪い)
・元本確保の仕組みがやや複雑
・インベスターズトラスト社の倒産のリスク
元本確保の仕組みとして「高格付金融機関が提供する仕組債により元本確保。これらの投資機関が支払い不能に陥った場合には、投資家の資金の一部または全額が失われる可能性」と注意書きがあります。
これは簡単いうと、「元本確保の原資である仕組債発行先に破綻や倒産があった場合に元本確保ができない場合があります」という意味ですが、これは「元本保証である銀行などの預貯金」以外なら同等のリスクを知らずに負わされています。
この辺のメリット・デメリットをどう考えるかによって、判断が分かれるところですね。
まとめ
ボクなら、これからの未来予想に基づいて、インベスターズトラストS&P500インデックスを15年、学資保険がわりにするのは「あり」だと判断しますが、いかがですか?
どちらにしても、子どもの未来をしっかりと考えて、今できるベストな決断をすることが大切なんだと思います。
もちろん、今のベストが未来もベストかというと、必ずしもそうではありません。
でも、誰にも未来はわからないんですよね。
今、ベストだと思うことを選んでいくしか、できないんです。
そのためにはリテラシー(知識・知見)が必要だと思いますが、資産の構築・運用などライフプランの立て方やお金については残念ながら学校も親も教えてくれなかったので、自分で学んでいくしかありません。
幸せな未来を構築し歩む責任は子どもたち自身にあるのかもしれませんが、親が学び、希望を持って歩む背中を見せ、ある程度のところ、途中までは手を引き、こっちだよと指し示すのは、親の役目だと思います。
大人の責任として、幅広い選択の中から「今のベスト」を選んでいけたらいいなと思います。
オススメの本
ボクは、多読を勧めています。
一つの考え方ややり方に固執しないためでもあります。
最近、ボクが読んでみて「これ、わかりやすいな!」と思った本が2冊あります。
経済学者が書いた本などは、書いてある言葉を理解するだけでなかなか大変です。
この2冊は特に難しい知識がなくても比較的読みやすい本ですので、中学生もしくは高校生が読んでも十分理解できると思います。
2022年から高校の家庭科で、投資教育が始まるようですね。
その頃、高校生になる子供をお持ちの方は、親子で読んでみてもいいのではないかと思います。


外資系金融マンがわが子に教えたい「お金」と「投資」の本当の話は、世の中の仕組みやお金・経済・投資の話を通じて昔(親世代)とは全く違った世の中になっていることをわかりやすく教えてくれて、今の時代に必要な知識や行動を示唆してくれます。
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本は最高の自己投資。
大切な子どもたちのためだけでなく自分のためにも、手にとっていただきたいと思います。