いくつになっても「社会科見学」は楽しいものです♪
日本酒が好きな方ならおそらく知っている 「空」で有名な 蓬莱泉の関谷醸造さんで、お酒造りを体験してきました。
体験させて頂いたのはお酒造りの工程のうちほんの少しの部分ですが、この蔵元さんのファンになっちゃいますね。
蓬莱泉 吟醸工房でお酒づくり体験
愛知県豊田市にある ほうらいせん吟醸工房
この日は4月にしてはとっても寒い日で、道中にあった温度計は3度を表示。時折、雪も舞う1日でした。
蔵に到着したのは9:30ごろ。
受付は9:50〜ということで売られているお酒を見ながら時間を潰します。 そして受付を済ませ、2Fへ案内いただきました。
会議室のようなところでほんの少し オリエンテーション的なものを行なって、早速、お酒造りの現場へ。
その際、ヘアーキャップと白衣を着用します。
ちょっとしたコツで熱くない
まずは、蒸し上がったお米を素手で広げる放冷作業。
あつあつで火傷しそうな蒸し米を台の上に手で広げ、冷まします。
蒸し上がったばかりですから当然ですがとにかく熱々でした。
そんな中、お手本を見せてくれた蔵の方は手際よく、サッ サッ と広げていかれます。
「経験を積んで慣れると、そんなに熱く感じなくなるんですか?」と伺うと、「いや、熱いですよ!でも、手の平より甲のほうが鈍感なんで、こんな風にやるといいですよ!」というその手さばきを見ると、手の甲を上にして蒸し米の下に滑り込ませて、横に開くような感じで手の甲の上に乗った蒸し米をひっくり返しながら広げていきます。
僕らは、「広げて冷ます」という言葉から、手のひらを使って 平すように広げていたので、より敏感な手のひらばかりをつかっていたのでした。
広げたら、目標の温度(12度程度)になるまで放置。
ちなみに今回造るお酒は、麹米は山田錦55%精米、掛け米は千代錦、協会7号酵母を使った純米吟醸で、僕たちが放冷作業をしたのは掛け米の千代錦。
この千代錦という酒米はこの辺り(工房のあたり)では、食用に使うこともあるそうです。
少し食べてみましたが、蒸しただけで焚いていないので、パサパサした感じで食用としての美味しさは感じませんでした。
自然放冷で目標の温度まで約1時間くらいかかるとのことで、その間に、蔵内を見学させていただきました。
蔵でしか味わえないしぼりたてのプチプチした飲み口
洗米作業です。 タイマーを使ってきっちり計測しながら洗米します。
というのは、米が汚れのついた余分な水分を吸ってしまわないためです。
手際よく大量の水で洗い、アクなどの余分なものを洗い落とします。
この洗米の仕方でもお酒の味や香りに大きな差が出るそうで、米を見れば「誰が洗ったかわかる」とのことでした。
重いし冷たいし、女性の方もおられましたが大変な作業だなと感じました。
仕込タンクの中には、パチパチと酵母が活動している様子が。
吟香を放っていて、とても美味しそうでした。
お酒を搾る機械です。もろみを流し込んでプレスするとお酒と酒粕に。
上槽から出てくるお酒は、ほんと美味しい!
黄色く見えますがすくってみると透明です。
まだ少し炭酸ガスが含んでいて、口の中で少しはじける感じがあります。
しぼりたてのお酒って、本当に美味しいです^^
関谷醸造さんでは酒粕を使った焼酎も作っておられ、従来 醸造アルコール というものを添加して作っていたお酒を、この焼酎を使って原料すべてがコメ由来のお酒を作っています。
必ずしも醸造アルコールが悪いものではありませんが、水以外の全てが「コメ由来の原料」というだけでも美味しい気がします^^
焼酎を添加するので「純米酒」とは呼べないですが、純米づくりのお酒がボクは好きです^^
見学から一旦戻ってきてしばらく休憩後、冷ましていた蒸米が目標温度になったのでいよいよ仕込タンクへの投入です。
塊になっているお米をほぐし、麹米の入ったタンクへ。
そして、均一に混ぜます。(櫂入れ:かいいれ)
櫂の入れ方にもやはり技があり、僕たちがやってもなかなかうまく混ざりませんが蔵の方がやるとスムーズに混ざります。
美味しいお酒が出来上がるように神棚に2礼2拍し、酒づくり体験は終了しました。
およそ1ヶ月の発酵期間を経てできるお酒を楽しみに待ちます。
帰りに、入手困難なお酒「空」を2本予約。
空の受け取りは2019年7月の予定です。
そんなお酒を持ち寄って、試飲会とかできたら面白いなと思います。日本には「空」の他にもなかなか簡単には手に入らないお酒がありますよね。
お酒づくり体験をしようと思ったきっかけ
最近、頭で考えてばかりで行動していないことが多いんじゃないかな〜 。
お酒を飲みながらそんなことをぼんやり思っていました。
体験する、現場を見るってすごく刺激になりますし、楽しい。
近くの酒蔵で体験とかやってないかな〜 と思って検索して見たところ、下のサイトを見つけました。
「空」というお酒を通じて蓬莱泉という銘柄は知っていましたし、美味しいお酒をつくる蔵元で体験できたらうれしいですよね!
品質のいい日本酒はだんだんと世界中で飲まれるようになってきています。
近い将来、ワインのようにもっと世界でメジャーになれるアルコール飲料だと思っているので、その流通などにも関わりを持てたらいいな〜 と、ぼんやりとですが考えています。
【2018年5月6日 追記】
先日仕込んだお酒の上槽ということで、再び工房におじゃましました。
上槽(じょうそう)とは、醪(もろみ)を搾り、酒と酒粕に分ける作業を指します。まさに、「日本酒になる瞬間」です。

これが上槽機 槽=ふね とも言われます
流れ出たお酒は、この後 通常は 濾過→貯蔵→火入れ→瓶詰めの工程を踏んで手元に届きますが、流れ出る生まれたてのお酒をちょっといただき、瓶詰め。
「あらばしり」ってやつですね。
かすかに感じる炭酸と無濾過ならではの旨味!コク!
今はこの「あらばしり」も商品として流通しますが、昔はお酒造りに関わる蔵人しか飲めなかった「秘密のお酒」です。
手羽先やクリームチーズにもよくあうコクと旨味を、おうちで楽しみました^^